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M&Aの国際化、五輪特需、人口一極集中――経済環境の変化であなたの働き方はどうなる!?

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2015.1.15

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2026年までの今後10年間で、起業と就労者を取り巻く環境はどのように変わり、それに伴って働き方はどう変わっていくのか。経済環境に関する4つのキーワードから、働き方にもたらされる変化を予想、その時に社会人に求められる力を、各分野の専門家に解説してもらった。

※このコンテンツは、就職学生向け情報誌『就活type』(2014年12月2日発売)からの転載となります。本誌情報は記事末尾にて。

経済環境に関する4つのキーワード

M&Aの国際化

国内企業ではソフトバンクに代表されるように、競争力の強化や海外進出の足掛かりとするための国際的なM&Aの例は増えており、今後も数、規模の両面でさらに拡大することが予想される。国内企業が買収されれば、国内市場の勢力図はもちろん、企業内の伝統的な文化や商習慣までが塗り替えられ、就労者が対応を迫られる可能性も

五輪特需とその後

2020年の東京オリンピック開催が決まり、産業界は「五輪特需」に大きな期待を寄せている。ただ、競技施設建設や交通網充実などのインフラ需要を見込んだ旧来型の内需けん引方式ばかりでは、「特需」の恩恵を受けられるのは建設・不動産業や一部のスポンサー企業のみ。「五輪後」に再び景気が停滞することを懸念する声もある

人口一極集中の加速

日本創成会議は2014年5月に発表した報告書の中で、このままでは40年までに地方で多くの地域が消滅するだろうと述べている。東京への人口一極集中は経済成長やイノベーションに寄与しているとポジティブに捉える向きがある一方、過密問題やテロ、災害などのリスクへの脆弱性、少子化の加速などの問題が指摘されている

環境・エネルギー問題

長らくCO2排出量削減が喫緊の課題とされながら、これまでも世界的な動きが立ち上がっては利害関係から頓挫して、を繰り返してきた。このまま環境問題が深刻化すれば、人間を含めた生態系維持のためには従来のような経済成長は望めなくなる。個人の働き方についても、エネルギーを消費しない方向への転換を余儀なくされるだろう

インテグラル株式会社・佐山展生氏が解説する
M&Aの国際化

インテグラル株式会社 代表取締役パートナー 佐山展生氏
インテグラル株式会社
代表取締役パートナー
佐山展生氏

「なぜ」を掘り下げる人が異なる商習慣にも対応できる

国内の少子高齢化が進み、伸びる企業はマーケットを海外に見いだすしかなくなっています。こうした傾向は、今後進むことはあっても後退することはないはずで、グローバル規模のM&Aも間違いなく増えるでしょう。

こうした時代に対応する人材になるためには当然、若いうちから海外へ出ることをキャリアプランの中に組み込んだ方がいい。

10年先というと、M&Aの相手は南米やアフリカの企業も入ってきます。 考え方はもちろん、 商習慣や法律も違う。その全てに対応できなければならないわけです。既成概念にとらわれている人では無理でしょう。

対応できるのは、なぜこういうルールがあるのか、常に掘り下げて考える人だけです。

そうやって何事も突き詰めて考えていくこと、人のやっていないことに挑戦することが、自分の市場価値を高めます。みんながやっていることをやるだけでは、社内価値は上がっても市場価値は上がらない。

経営者についても同じです。これまでは甲子園の予選を勝ち抜くように社内価値を高めた人が経営者になっていましたが、本来は市場価値の高い人がなるべきです。

国際的な競争にさらされる中で、今後は生え抜きではない、プロの経営者の市場が日本にもできるはず。経営者を目指すのであれば、小さな会社でもいいので社長を経験して、市場での価値を高めておくことです。

野村総合研究所・三崎冨査雄氏が解説する
五輪特需とその後

株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部 パートナー 三崎冨査雄氏
株式会社野村総合研究所
コンサルティング事業本部 パートナー
三崎冨査雄氏

ボランティアを楽しむ意識の高まりに期待

日本で行われている五輪に関する議論は現状、国内需要をいかに伸ばすか、その需要を各企業がいかに取り込むかに終始しています。

しかし、将来に結び付かない投資だけだと、2020年までで経済成長は止まり、五輪後に景気は再び低迷してしまう。

日本が参考にすべきは、北京やリオのような新興国の「内需けん引型」ではなく、ロンドンのような成熟国の 「外需誘引型」 の五輪です。

イギリスは五輪に合わせて大商談会を開催するなどの施策が当たり、五輪後も経済成長が続いています。日本も、海外からの対日直接投資、日本企業の海外進出といった効果を積極的に狙っていくべきです。ロンドンに倣えば、就労者個人の働き方にも二つの変化が起こることが予測されます。

一つは、リモートワークの増加。イギリス交通局は、五輪開催中の公共交通機関の混雑を想定し、ロンドン市内にオフィスを持つ企業に在宅勤務やバックアップオフィスの整備を促しました。その結果、在宅勤務者が150万人も増加。これは五輪後も続いているとされています。

もう一つは、ボランティアで働く人が増えるのではないかということ。東京五輪では8万人のボランティア募集が計画されており、東日本大震災をきっかけとして芽生えたボランティア意識が、より社会貢献を楽しむ方向へと広まっていくことが期待されています。

みずほ総合研究所・岡田豊氏が解説する
人口一極集中の加速

みずほ総合研究所株式会社 調査本部 政策調査部 主任研究員 岡田豊氏
みずほ総合研究所株式会社
調査本部 政策調査部 主任研究員
岡田豊氏

その地域で働く意味を突き詰めて考えられるか

今、全国で約7割の人が従事するサービス業は、地域との結び付きを前提とするためグローバルな競争に巻き込まれにくく、本来、地方都市にも成長の余地があるのです。

ですが、地方のように人が離れて住んでいると、サービス業はコスト高となりがちでもうかりにくい。すると給料が上がらないので消費も伸びず、結果として地方のサービス業は苦しくなります。

人口密度の高い東京ではその逆の現象が起きているので、若者は仕事を求めて大都市へ流れ、地方の人口はさらに減るという悪循環が加速します。

これまでの地域振興策は、このような流れを止めるべく国などが資金投入していますが、うまくいっていない。そもそも、地方が「無いものねだり」を続けるのは健全といえるでしょうか。

地域資源を使った新しいビジネスが生まれない限り、地方が抱える問題は解消されません。情緒的に地場産業を保護することは、新規ビジネスの誕生や成長のチャンスを奪っているように映ります。

薄利多売の製造業が中心の時代とは違い、 現場で付加価値を見いだし、どうお金を稼ぐかを自分で考えるサービス業が主役の時代です。それは大都市も地方も変わらない。観光業や外食などは域外から集客する力があり、地方でも可能性があります。

その地域で働く意味を考えることができる個人にとっては、むしろチャンスの多い時代となるのでは。

大和総研・大澤秀一氏が解説する
環境・ エネルギー問題

株式会社大和総研 環境調査部 主任研究員 工学博士 大澤秀一氏
株式会社大和総研
環境調査部 主任研究員 工学博士
大澤秀一氏

求められるのは持続可能な成長を支える発想力

環境・エネルギーの問題はおそらく、何を考える上でも一番大きな枠組みになる。豊かさを追う以前に生き抜いていかないといけない、人類の存続そのものが脅かされつつある時代に突入しているのです。

国際的な専門家組織の報告では、産業革命のあった1750年代と比較して世界の平均気温が2度上昇すれば、生態系や気候システムに悪い影響が出るとされています。4度上昇なら作物生産や世界経済にも深刻な影響を与えます。

そういったことが今世紀末までに起こり得ると科学者は指摘しています。一般的にはエネルギー消費量と経済成長はリンクしているといわれており、今まで通りの経済活動を続けると気温上昇は避けられない。

持続可能な成長を目指す企業にとっては、 低炭素化および省エネを手段に、サプライチェーン全体のリスクマネジメントとイノベーションの両面から、環境変化と向き合う10年となるのではないでしょうか。

ひと昔前までは、省エネといえば節電しかありませんでしたが、今ならLEDに替えるという選択肢や、生産装置をエネルギー効率の高いものに替えるというイノベーションだってあり得ます。

投資家たちがESG (環境・社会・ガバナンス) を重視する動きも出てきており、そういった発想ができる人が持続可能な成長を支える人材として注目されていくでしょう。

 

取材・文・撮影/鈴木陸夫(編集部)


Information

雑誌『就活type』

2007年に創刊した、就職活動に臨む学生に向けた就職情報誌です。「働くの本質を考える」を媒体コンセプトに、毎年1回の雑誌発刊と関連する就職イベントの開催を行っています。 2014年12月2日(火)発売の号では、今回紹介した記事のほか、ヤフー宮坂学氏やLINE森川亮氏、ライフネット生命保険の出口治明氏、元アップルジャパン山元賢治氏、ウォンテッドリー仲暁子さんetc.のトップビジネスパーソンへのインタビューのほか、さまざまな職業の312人に「働くことの意義」を聞く一大特集を掲載しています。販売は全国主要大学の学生協ほか、大手書店にて(税抜276円)。 その他、就活向けのセミナー情報は、Webサイト『キャリアビジョンtype』でご覧いただけます。
公式HP:『キャリアビジョンtype』



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