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「デキると思われたい」が失敗の元!? 「転職後1週間」の上手な過ごし方

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2015.8.20

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この時期、10月入社に向けて転職活動中の人も多いかもしれない。しかし、新しい環境に胸ときめかせる一方で、「本当に次の職場でもやっていけるのだろうか」という不安もまたあるもの。でも、せっかくの心機一転のチャンス、スタートダッシュで差をつけて、デキる人だと思われたい! そこで、12回の転職を経験してきた“転職のプロ”である、経済評論家の山崎元さんに、いち早く仕事の成果を上げるための転職後1週間の過ごし方を教えてもらった。

新卒はニューフェイス、中途はライバル
デキるアピールはNGと心得るべし!

まず注意しておきたいのが、新卒入社と中途入社の違いだ。入社する側は、新しい環境に飛び込むという意味ではどちらも同じ。けれど、受け入れる側の目線は大きく異なることを理解しておきたい。

「中途で即戦力として採用された場合、既存の社員たちにはない能力を買われて雇われたという側面があります。つまり、新卒はただのニューフェイスだけど、中途はライバル。どういうレベル感の人が来るのかみんな高い関心を持っているし、必ずしも良い印象を持っている人ばかりでないということを心得ておいた方がいいですね」

いきなり自分から能力をアピールして周囲の反感を買っては元も子もない。「自己紹介でウケを狙ったり、歓迎会で大演説をぶつようなことは避けておいた方がいい」と山崎さんはアドバイスする。

「まずは『デキると思われたい』という意識を捨てること。これが一番です。転職して最初の1週間は、ほっといても関心が集まる時期。自分から注目を引く必要はありません」

不要な焦りを捨てて
座席表を手に入れよう

そもそも転職は非常にストレスが掛かるもの。自分は周りのことを何も知らないのに、周りは自分のことを知っているという状況は、精神的な負荷となる。早く理解されたいと焦ってしまうのは仕方のないことだが、それよりもまずやらなければいけないことがある。

「それは周りを知ることです。転職して最初の1週間は、自分を理解してもらう期間ではなく、自分が職場を理解する期間。理解を深め、新しい人間関係を築いていくにはいくつかポイントがあります」

【1】座席表を入手する

「どこの席に誰が座っているのか。座席表を確認しながら、顔と名前を早く覚えること。人の顔と名前を覚えるのは、相手に対する関心の表れ。早く覚えようとする姿勢を見せれば、周囲からもいい人だと見てもらえます。まずは同じ部署のメンバーの顔と名前を早く覚えて、そこから役職や役割、学歴や経歴、性格などを理解するようにしましょう」

【2】細かい会社ルールを把握する

「例えば、業務でLINEを使用していいのか。会社のホームページやニュースサイトなど、業務中に閲覧していいWebサイトはどの範囲までか。仕事中に私用の電話は受けていいのか。メールを送るときはどこまでCCに入れるのか。デスクで飲食をしていいのか。ランチは一人で取っていいのか、あるいは同じ部署のメンバーと行った方がいいのか。これらは会社によって取り決めはさまざま。知らずにやって、後で注意を受けたり周囲から浮いてしまっては損をするだけです。どんな小さなことでも、最初にどうするべきか確認しておいた方が安心です」

【3】悪口や批判は言わない

「まだ誰がどんな団体に関わっているかも分からないし、相手の性格も嗜好も分からない。世間話のつもりで話したちょっとした意見が、相手の出身母体や関係者の批判になるなんてことはよくあることです。また、前職の退職理由を聞かれたときに、つい『前の上司がバカだった』なんて言い方をすると、新しい上司にも『自分のこともそう思うようになるのかも』なんて警戒を与えかねません。転職の理由を聞かれても、ことさら前の会社を悪く言う必要はない。この時期はネガティブな発言はできるだけ避けるようにしておきたいですね」

【4】「前の会社では……」と比較しない

「これは一番のタブー。新しい職場のやり方を否定しているようなものです。つい自分の防衛のために、前の会社と比較して説明したくなりますが、マイナスにしかなりません。前の会社と新しい会社で仕事の進め方や考え方が違うのは当たり前ということを忘れないように、注意が必要です」

【5】全員「さん付け」「丁寧語」が大原則

「年齢が同じでも年次が上。あるいは同じタイミングで入社したけれど、年下の新卒。転職をするといろんな人間関係が生まれますが、相手を呼び捨てにするということは、自分の立場が相手と同等か上であるということ。そもそもビジネスにおいて、自分の立場が上であることを表明してメリットになることはほぼありません。先輩後輩、年上年下に関わらず、全員『さん付け』『丁寧語』で接するのが原則だと心掛けましょう」

会社に定着してこそ、
「転職が成功した」と言える

転職初期において重要なことは、早く仕事や職場に慣れること。どうしても始めのうちは、人に質問したり助けを仰ぐ場面が増える分、精神的な負担も増す。だからこそ、早く職場を理解すればその分だけストレス過多の期間を短縮化できるし、結果的にそれがパフォーマンスを上げるための下地にもなる。

「経験上、新しい職場に慣れるのに半年は掛かります。会議や商談なんかで『私はまだ転職してきたばかりなんで』といった言葉が出るうちは、まだ会社に慣れていない証拠。その間は、自分の能力をアピールするより、会社を理解することを優先してくださいね」

即戦力として期待されているからと、肩肘を張っても空回りすることがほとんど。焦らずカッコをつけず、一歩ずつ新しい職場に適応していくことが、本当の意味での“いい転職”のゴールなのだ。

お話を伺った方
yamazakihajime

経済評論家
山崎元さん

1958年北海道生まれ。1981年東京大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。その後、野村投信委託、住友生命保険、住友信託銀行、シュローダー投信、NBインベストメントテクノロジー、メリルリンチ日本証券、パリバ証券、山一證券、第一勧業朝日投信投資顧問、明治生命保険、UFJ総合研究所に勤務。楽天証券経済研究所客員研究員、獨協大学経済学部特任教授、国家公務員共済組合連合会資産運用委員会委員。1994年東洋経済高橋亀吉記念賞優秀賞受賞。2005年1月に株式会社マイベンチマークを設立し代表取締役に就任

※『Woman type』2015年3月の記事を一部改変して転載しています。

 

取材・文/横川良明

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