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取得してもいいはずなのになぜ? 有給申請に上司の表情が曇る2つの理由

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2015.9.17

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上司に対して日々感じている「なんでそんなこと言うの?」「どうしてそういうことするの?」という不満や疑念。それを直接上司にぶつけたいと思っても、「余計に怒られるんじゃないか」「印象が悪くなるんじゃないか」とモヤモヤしたまま自己完結してしまっている人も多いはず。そんな営業マンの疑問に、最強ワーキングマザー・堂薗稚子さんが、上司の立場からズバッと解説します。

※この記事は『Woman type』2015年4月の記事を一部改変して転載しています。

プロフィール
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株式会社ACT3代表取締役
堂薗稚子(どうぞの・わかこ)

株式会社ACT3代表取締役。1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として数々の表彰を受ける。「リクルートブック」「就職ジャーナル」副編集長などを経験。2004年に第1子出産を経て翌年復職。07年に当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用される。その後、第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、ワーキングマザーで構成された営業組織を立ち上げ、女性の活躍を現場で強く推進。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、13年に退職し、株式会社ACT3設立。現在は、女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行う
http://www.act-3.co.jp

こんにちは。堂薗です。

「この日に有休を取りたいのですが……」と申請すると、上司に「どこか旅行に行くの?」などと休む理由をやたらと聞かれたり、これみよがしに嫌な顔をされたりしたこと、ありますか? 法律上は、社員は会社に有休を取得する理由を説明する必要はありません。だから、「旅行?」と聞かれたら、「お答えする必要はないと思います」と答えることはもちろんできるのですが、今後の関係を考えれば露骨にそう言うわけにもいきませんよね。どうして上司は、認められている有休を申請しにくい雰囲気を醸し出すのか。今回はこのテーマを考えてみたいと思います。

「程よく休ませたい」が本音?
メンバーの労働時間が上司の目標になるケースも

上司は楽ちんに仕事をしているように見えることも多いかもしれませんが、結構たくさんの目標を設定されています。売上などの数字の目標だけでなく、メンバーについても、1年間の労働時間を設定以内に管理しろ、とか、離職率を下げろ、とか、会社の組織課題によってさまざまなマネジメントテーマで目標設定されているはずです。そして、それは上司自身の評価に影響することが多く、努力目標というより必達目標だったりします。最近は、メンバーの健康管理、会社のブランド力向上といったことからも、「労働時間管理」は目標設定されていることが多いのではないかと思います。「うちの会社、ブラック企業だから辞めました!」なんてネットで書かれたらそれこそ責任問題だし、何よりメンバーが身体的、精神的な理由で倒れてしまうことは戦力の観点からも、職場のモチベーションの観点からも、非常に大きな損失になります。「程よく休ませたい」。本音では上司たちはそう思っているのが現状のはずです。

それなのに、「休みを申請すると嫌な顔をされる」のはなぜか。2つ、理由があるような気がします。1つは、休むことそのもの、または休む理由が職場の他のメンバーに受け入れられるか微妙だから。もう1つは、「休みたい」と相談されたのではなく申請された、報告された、ということに、もやもやした感情が生まれてしまうから。

嫌な顔をする理由その1
他のメンバーの視線が気になる

上司としては、「えー、ここ?」というタイミングの休暇を申請されると、権利としては認められていても、職場全体のことを考えて、休む理由が知りたくなってしまうのです。「如何ともし難い理由」があれば、上司も周囲に説明ができますが、「言いたくない」と言われると、職場の他の社員たちの気持ちと休みを取りたい社員の権利との板挟みになるのは目に見えています。また、物理的に業務が回らなくなり、代替要員を調達しなくてはならないかもしれないし、職場全体でフォローしなくてはならないかもしれない。その時、「彼女はのっぴきならない理由で休んだんだよ」と言えると楽です。どんなに忙しい中でも、「実家の母の具合が悪くなって……」と相談されたら、「それはすぐに帰ってあげなさい!」と言いますから、自分自身や周囲を納得させるために、ルールはどうであれ理由は思わず聞いてしまうでしょうねえ。繁忙期に、理由を言ってくれないで休みを申請されたとしたら、「嫌な顔」じゃなくて「困った顔」になっている上司も多いかもしれません。

また、理由を言ってくれたとしても、例えば「お盆の時期はツアー料金が高いので、9月に夏休みを取りたいんですけど」なんて、堂々と言われると、これまた参っちゃいますねえ。「みんなそう思ってるけど?」と言いたくなります。「会社としての夏休みは決まってるから、9月に休みたいなら有休を取ってもらうしかないね……」と苦し紛れに答えて、「じゃ、有休でお願いします」と言われたら気絶しそうになるかもしれない(笑)。他のメンバーからの「え? 許すわけ? あり得ないでしょ」という視線。これも嫌な顔というより困った顔になってしまいそう。

休み中には、上司や職場の同僚がフォローしてくれることになるわけなので、あまりに正直で自分本位な理由は伝えない方がいいし、頑なに「プライベートなことだから!」と口をつぐむよりも「前からどうしても行きたくて」とかわいく伝えた方が心証がいいような気がします。そうやって「自分が同僚だったら腹が立つかも」とほんの少し想像力を働かせるだけで、ぐんと気持ちよく休みが取れると思いますよ。休んだ後にも、「休み中、何かありませんでしたか?」と声を掛けたりお礼を伝えたり、あるいは、お土産話なんかで笑いを取ってくれたりするだけで、次にまた休みを取るときに印象が違うはずです。要はかわいげ、ですね。

嫌な顔をする理由その2
事前に相談してほしい

2つ目の理由の「相談」じゃなくて「申請」「報告」という話は、1つ目の話とも連動しますが、「承認」するサイドの気持ちに立って考えられたらもっと気持ちよく休めるのにな、と私は思います。上司っていうのはメンバーに相談されると、反射的にアドバイスしちゃう生き物なのです。だから、「この日に有休を取りたい」と申請されると「その日は、大事な会議が入ってなかった?」と答えてしまうかもしれなくても、「このあたりの日程で休みを取りたいと思っているんですけど、どの日なら取れますかねえ?」と相談されると、「この週なら休めるんじゃない?」と答えてしまう可能性が高い。自分で答えてしまって結果的に承認、というパターンです。

随分前のことだけれど、私の夫がサッカー好きで、「日韓ワールドカップ、生で見たい!」といつにないマメさで、たくさんのゲーム日程に申し込みをしていたんです。私は職場で、ダンナのそんな様子や、チケットの値段がすごく高くてびっくりしたことなんかを、面白おかしく伝えてネタにしていたのですが、本当にチケットが取れてしまいました。それも繁忙期、遠方でのゲーム! 私は、「こんな時期に休んだらヒンシュクですよね……」と上司に相談しました。そうしたら、「ダンナさんががっかりするじゃん。行っておいでよ」と笑って有休を取らせてくれました。職場のみんなも、「チケット取れたの? すごーい!」「交通費入れたらすごい金額になるねえ」などと言って、嫌な顔もせずに送り出してくれました。

これは、振り返ってみると、めったにないイベントだからというのではなくて、「事前」に情報が伝わっていて、決める前に「相談」したからこそ、気持ちよく承認してもらえた、と私は思っています。どこまでプライベートなことを職場で話すかの判断は、人によって違っていますが、やはり、決めたことを直前に申請されるより、事前に事情が共有されていて、相談をされたら、上司は自分の事のように一緒に考えてしまうものなのではないかと思います。

最近は、Webで休暇申請をする仕組みになっている会社も多いですし、メールコミュニケーションも多くなっているので、上司からすると、「突然、休暇が申請された」と思ってしまうのかもしれません。有休は働く人の権利ですし、上司も「取得促進!」と言われているはずなので、堂々と休んでいいのです。でも、もし上司が「嫌な顔」あるいは「困った顔」をしたら、「あれ? どうして?」とちょっと考えてみてくれるとうれしい。お互い気持ちよく休んだ方がせっかくのお休みを存分に楽しめるし、休み明けの仕事日もちょっとは憂鬱にならなくて済むと思うのです。

>>元の記事を読む


Information

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【著書紹介】

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堂薗 稚子/1,404 円/KADOKAWA/角川書店
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